6.25.2011

Radio Dinosaur chapter#04






その日のぼくは盛り上がっていた
机の上の小型ラジオの前にはりついて、ひとり鼻息が荒かった

ラジオでは次々とジョーク大会の飛び入り参加者がジョークをしゃべりまくる





















*昔昼寝してたら見た夢の中の物語の続きです*
長い長い昼寝の長い長いお話です^^
ちょっとおヒマで読むお時間があればmore>>をどうぞ










ジョークの審査委員長はDJ
審査員の笑い具合でDJが点数を決める

何しろ夏中つづく大会だから簡単にはいい点数はつかない
友だちの名前も何人かが呼ばれてた

ぼくはDJのつもりでラジオを聴きながらいっしょに点数をつけていた
とびきりのジョークを考えなければならないのだから真剣だ













バカ受けなのもあるし全く受けないのもある
まずまず受ければ参加賞にピンクのバッヂがもらえる

最初は照れて出たがらなかった町のおばさん連中まで最近はピンクのバッヂをつけてる
今じゃけっこう人気者だ
友だちのひとりはもうシャツに何個もつけて自慢していた

当然ぼくはまだ一個もバッヂをもってない

でも別にいらない

ねらっているのは優勝だ
優勝の賞品もなにか知らない

ただぼくは優勝したいだけ

いまいちすぎる夏の始まり
ぼくはヒーローになりたいんだ!













だからぼくは今までのどんな試験勉強よりも必死だった
机とラジオにしがみつき、ノートを作り研究に研究を重ねた
食事中もどんなネタで両親が笑ったかもぬかりなくメモした
ノートがあっという間に何冊にもなった
毎晩ベッドの中でこっそり何度もジョークの練習もした


よしやるぞ


ジョーク大会の時間にはいつもプールサイドに行列ができていた

今日こそ、この今一番熱い人気番組のジョークコーナーで名前を呼ばれてやる
ぼくは鼻息を荒くして列に加わった

ネタは考えてきた
「猫に喰われそうになった蛙が庭中逃げて逃げてすったもんだの最後に飛び込んだのはなんと、キッチンの煮えたぎった鍋の中だった」
っていう内容のネタだ

何度も練習もしてきた
うまく言えればきっと受けると思う
うまく言えれば多分、他の連中よりは...

ぼくの前には近所のおばさん、文房具屋のおじさん、同じ学校の生徒、
他にも知った顔が何人も並んでいた

ぼくまでの距離はだんだん短くなってきた
ぼくはだんだん緊張してきた













ぼくの前の太ったおじさんの番になった
DJが彼を紹介してネタがはじまる
太ったおじさんはピンクのバッジを何個かつけていた
場慣れした感じだった

緊張でもう自分の心臓の音しか聞こえない
ざわめきも何も聞こえてこない
まずい、とにかく落ちつかなくちゃ

すーはー

ぼくは深呼吸してなんとか少し落ち着いてきた
いつもの自分を取り戻した

太ったおじさんのネタのオチの部分だけはなんとか冷静に聞けた 
...ところが!


「.....で、そのネズミが駆け込んだところはなんと犬の口の中だったのさ!」


ぼくは愕然とした
ネタがかぶってる!しかも会場はけっこう受けている!

ぼくは冷や汗がでてきた、足もふるえだした、
心臓の鼓動がさっきより更に早くなった

マイクの前まで歩けるだろうか?

太ったおじさんはまたピンクのバッヂをもらい、うれしそうにDJと握手なんかしている

DJがちらっとぼくの方をみた
ああ〜たのむからこっちを見ないで!

逃げ出すなら今なのに足が動かない
DJの手招きがストップモーションのように見える
今なら逃げ出せるのに…

神様にお願いします、この足を今すぐ動かして
この場を走り去らせてください!

だけどぼくの願いは神様には届かず
願わない瞬間がとうとう来てしまった

DJがぼくを紹介してしまった


「ハイ!次の挑戦者はえ〜と初登場だね!?とびきりのジョークを聞かせてくれよ!」









 
to be continued















※これは私が高校生のころ、昼寝をしていて見た夢の中の物語です
主人公は高校生くらいの男の子でした
ちょっとオールディーズ風の知らない町の知らない男の子 

この男の子の目線で夢物語は展開しました
へんな話しで今でもその光景を思い出せます
起きてすぐにメモをとり
これまた長い長い間かかって文章にまとめたのですが
それが今頃になって出て来たのでアップしてみました
乱文、散文はお許し下さい

しかも続きも気まぐれにアップするつもりなので合わせてお許し下さい^^;

前回からずいぶん経ってしまいました
PCを変えたのでファイルがどこだかわからなくなってました
見つけたぞ〜

まだ続きます



































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